英語初心者はシャドーイングではなくリピーティングがおすすめ
英会話学習の一つのレッスン方法としてよく耳にするシャドーイング。
通訳の方などが絶賛されている音読レッスンですが、実は初心者には敷居が高いレッスンです。
音読系のレッスンは、きちんとネイティブの発音の物まねをしながら行えば、発音、音節(息などが関係しているリズム)、抑揚(発音の高低)、ストレス(アクセント)、はもちろん、リスニングを鍛えることもできるので非常に有用なレッスンです。
ですが、初心者がいきなりシャドーイングを行うのはあまり現実的ではありません。
シャドーイングは流れてくる音声に少し遅れながら音真似をする音読のレッスンです。
日本語で試してみるとわかるのですが、この少し遅れてというところが厄介で、自分が発音しているときにはすでに、ネイティブの英語が先行している状態なので、音声が重なってしまい、自分の発音もよく確認することができません。
結果、発音をまねることなどできずにパニックになるわけです。
ここで音読系のレッスンにはどんなレッスンがあるかみてみます。
目次
1.シャドーイング
2.オーバーラッピング
3.リピーティング
4.ただの音読
1.シャドーイング
英語の音声は流しっぱなし。ネイティブの音声の少しあとに声まねをして音読する。
見本の動画
2.オーバーラッピング
英語の音声は流しっぱなし。ネイティブの音声とほぼ同時に声真似をして音読する。
知っている歌が流れてきたときに歌をうたうあの感じ。
見本の動画
3.リピーティング
自分の好きなところで英語の音声をストップし。自分のペースでネイティブの音声を真似して音読する。
自分の発音とネイティブの発音を比較しやすい。
中学高校の授業で先生がネイティブの音声CDを流してよくやったと思います。
見本の動画
4.英文をただ声に出して読む
すみません、見本動画は無しです。分かると思うので。
ネイティブの音声を聞かずに、自分の知っている発音で音読するというやつですね。
大きく分けてこの4つぐらいに分かれると思います。
最後の英文をただ読むという行為は、発音矯正ができていない人が行うと、真似をする対象がいない状態で行うわけです。
となると、勝手な発音で音読してしまう可能性が高く発音矯正にもなりませんし、英語を聞いてマネするわけでもないのでリスニングにもなりません。
発音をしっかりと分かっている上級者向けですので除外します。
ちょっと話それますが、アレですね。中学や高校で日本人の先生が英語を読んだ後にリピートしながら音読する行為はネイティブの発音を真似しないで、日本語発音の先生の発音を覚えちゃうと言うことになるのでダメですよね。
最近はネイティブ講師や、MP3などの音声で音読させるのかもしれませんが、私の年代だと、ほとんどの授業が日本人の先生の発音だったので、今考えると意味がないどころか害ですらあった気がします。
話をもどします。
という訳で、シャドーイング、オーバーラッピング、リピーティングの3つをを難易度順に並べると下記のようになります。
難しい シャドーイング >オーバーラッピング >リピーティング やり易い
シャドーイングが一番難易度が高く、2番目にオーバーラッピング、一番難易度が低いのがリピーティングです。
ですので、よく耳にするシャドーイングはある程度上級者向きのレッスンとなります。
ただし、例外としてすごくゆっくりの音声で行うのであれば初心者でもあるていどシャドーイングができますので非常に有意義なレッスンに変わります。
初心者からシャドーイングができるに越したことはありませんからね。
いくらシャドーイングが有意義なレッスンだとしても、真似すべき英語が遅いとリエゾン(単語がつながって第3の音が出現)、リダクション(破裂音の消失)、フラップなどの音の変化が出にくくなるので発音のレッスンにならないのではないかという心配もあるかと思います。
ですが、初心者のうちはどっちにしても音の変化をすべて真似できるほどの耳も口も持っていないので、全く問題ないです。
むしろ遅い英語と早い英語でどう変わるか意識できていいでしょう。
ですので、私のおすすめとしては、かなりゆっくりな音声が提供されている英語教材でシャドーイングを行うか、通常の音声で1センテンス事に一時停止しながら行うリピーティングとなります。
初心者向けの遅いシャドーイング見本動画
初心者がシャドーイングを行うのであればこのレベルの速度の音声から始めるか、毎回音声を止めてしっかりと音読できるリピーティングから始めるのがベストだと思います。