「~できますか?」“Can you ~?”(
Can という助動詞は、私たちにはかなりなじみのある単語なので非常に使いやすいですし、実際に会話ではよく出てくるのですが、基本のニュアンスはよく理解しておいた方がいいと思います。
Canと言えば「できる」という意味で覚えたと思うのですが、実際には「~しようと思えばできる」、「~する能力がある」という基本ニュアンスなので、使い方によっては、「君、これできる能力あるの?」という失礼な質問になってしまう場合があります。
例えば有名な比較ですと、英語ができるかどうか尋ねるときのニュアンスがあると思います。
Can you spaek English?
「英語を話せますか?」⇒ 話せるか能力を問う
Do you speak English?
「英語を話しますか?」⇒ 普段話すかの習慣を問う
これどちらも同じことを聞いているのですが、能力を問うCan you~?の方が失礼な聞き方だというものです。
日本人は「能力」に関すことを聞かれても違和感はないのですが、ネイティブはこの「能力を問う」聞きかたに違和感があるみたいんですね。
ですので話せるかどうかの能力ではなく、習慣的に英語を話すかどうかを確認するDo you~?を使いましょうということなのですが、日本人と欧米人は感覚が違うので、このへんはネイティブが何を嫌うかおぼえるしかないです。
例えば、ネイティブの女性に「顔が小さくてスタイルいいですね」というと、
顔が小さい ⇒ 頭が小さい ⇒ 脳が少ない ⇒ バカなの?
と聞いているのと同じで、かなり怒られるそうです。
日本人はモデル体系とか、8頭身とか言われることが褒め言葉ですが、欧米人とは文化が全然違うので、このへんは覚えるしかないのかなあと思います。
さて、前置きが長くなりましたがCan you~?行きましょう。
以上のことを踏まえたうえで、Can you~?はどう使うかというと、できることが分かっていることを対象に、してもらえるかどうかを質問する場合につかいます。
例えば、仕事相手に対して
Can you email me the details?
「詳細をメールしてもらってもいいですか?」
これはできるかどうかを聞いているのではなく、してもらえないかやんわりとお願いをしています。
日本語でも、「詳細メールしておいて」というとなんというか上から目線で、上司が部下に命令する感じに聞こえますよね。
これを質問形式にするとやんわりお願いできます。
ショッピング中に
Can you tell me how much this is?
「これが、いくらか教えてもらえませんか?」
これ値段を聞いているのですが、相手は商売なので価格を知っていますし教えるのがあたりまえですが、こんな感じで聞き出すことができます。
Can you help me with the dishes?
「お皿を洗うのを手伝ってもらえませんか?」
Can you finish the report on time?
「予定通りに、報告書を終わらせることができますか?」
Can you lock the door when you leave?
「出かける時、鍵をかけてもらってもいいですか?」
本当に能力を聞く場面もありますので、そのへんは臨機応変に。